日本しんがり新聞社

ボケ老人の妄想記事ですから、怒らないでね…(^ ^)

1日20時間ゲームをし続けた男の話

もう10年以上前に記者はある男と出会った。どうして彼と出会ったのかは忘れたが、彼が半年以上ゲーム三昧の生活を…イヤ、ただただ無為に過ごし…ゲームで時間が過ぎどうしようもなく眠くなるのを待ち…起きたらまたゲームを続けていた。1日のゲーム時間は平均20時間、眠くならなければ24時間以上彼はゲームを続けていた。

「うん?計算がおかしくないか?」

残念!彼はその時無職であり、一人暮らしだったから、20時間ゲームをして、10時間寝てを繰り返していたので、彼にとって1日24時間という概念はもはや無かった!カーテンの隙間からのこぼれ日から「あー、昼なのか…」と思った程度であり、電池の切れた時計の針は常に3時を指していた…。


食欲は無かったが、何故か1日1回カップラーメンか近所のスーパーの半額弁当を食べていたそうで、体重は半年で8kg減っていた。彼が言うには「食わないと死んで他人に迷惑をかけるので、仕方なく口の中に放り込んでいた」らしい。「その時は味覚もマヒしていて、美味しいとか不味いとかも感じた事がない」そうだ。

だから彼は週に一度だけ外出して、半額弁当とカップラーメンとタバコだけをまとめ買いし、風呂も1ヶ月に1度か2度…最初は頭が痒くなるが、それも慣れてくるから、月1で充分だそうだ。

その他は、コタツに入りゲームをして、そのままコタツの中で眠り、起きたらゲーム…ただただその繰り返し…。彼が言うには「このまま死ぬのを待っていたのかもしれない…消極的自殺って奴かもしれない…」だそうだ。


彼のやっていたゲームは、当時はネットゲームが流行る前だったので、プレステで戦国RPGを数種類やっていたそうだ…

RPGは頭を使うから脳を活性化させるという研究結果があるそうだが、彼の話だと、複雑なRPGも最初は頭を使うが1週間もするとコツがつかめ、半月もやれば何一つ考える事無くゲームを進化させる事が出来る様になるそうである。

ただテレビ画面を眺め、指だけが忙しく動く…何度も同じ事をしてるので何ら嬉しい事も無く、ゲームクリア速度だけが早くなって、ついには次のゲームに変える。そして、同じ事の繰り返し…。

この間、考える事は別に無い、時々「このまま死ぬのかな?」とは思うが、他に何も考える事はない。ただテレビ画面を見て、指だけを動かす。これが彼の全て、これが彼の人生だったらしい…。


何故彼がこうなったか彼は言わなかったが、何かイヤな事があり「閉じこもり」になり、ゲームだけをして、死ぬのを待っていたのかもしれない……。



そして、彼はそこから脱出した。

第一の理由は「金がなくなった」から…もう家賃も払えなくなり、食料もタバコも買えなくなる。このまま死ぬのか、金を稼ぐか?選択は二つに一つ…。


ここで彼は「姪っ子」の事を考えたらしい…「このまま死んだら、姪っ子は悲しむかな?下手したら、優しい姪っ子だから『何故おじさんを自分は助けられなかったのか?』と自分を責めるかな?…」

そこで彼は目覚めた!「それはダメだ!」と。


そして、彼はゲーム生活から脱出した。お金をなくして、本当に死を意識した瞬間に、彼は「姪っ子」に救われたのだ。



今、彼がどうしているか記者は知らない。TVでは「ゲーム依存症」について何か話ている…若者が彼と同じようならなければ良いが…彼は運良く脱出出来たが、抜け出せない若者もいるかもしれない…。


彼は意識していないと思うけど、彼は完全に「うつ病」だったに違いない!彼はたまたま抜け出せたが、一歩間違えれば…記者は彼に出会う事もなかっただろう。


6時間ゲームを続けるなんて可愛いもんだ。引きこもって、時間の限りゲームを続けたら…君がそうならない事を記者は願うだけである。