日本しんがり新聞社

ボケ老人の妄想記事ですから、怒らないでね…(^ ^)

介護の達人?

ある日Aさんに、とある役所から電話がかかって来ました。

「Bさんご夫妻をご存知ですか?」
「はい?ご存知も何も父の兄で私のおじですけれど…おじに何か?」
「お二人共お元気ですが、何分ご高齢で先日要介護者と認定されました…」
「えっ、そうなんですか?」
「はい。ですから、当方としては特養か老人ホームにご入居いただけたら安心なのですが、残念ながら当方の特養ホームは入居千人待ちの状態でして…」
「せせ、千人!」
「はい。そうすると民間ホームかご身内のお世話かしか無い訳でして…それでご相談の連絡をさせて頂いた訳でして…」
「そうですか…おじさんには子供もいないので、私に…ですか…」
「はい。申し訳ありません…」
「イヤ、仕方ありませんね。しかも、おじさんは中小企業出身で年金も少なく、たいした資産も無い…民間のホームに二人共入るのは難しい…」
「は〜っ、その様ですね…」
「ところで、我が家に要介護者が四人いるのはご存知ですか?」
「えっ、四人も…」
「私の両親と妻の両親で、皆80才を超えています…」
「それは知りませんでした…」
「…でしょうね。知ってたら、普通なら電話出来ませんもんね…」
「…あ…はい…」


さて、ここで貴方に質問です。
もしも、貴方がAさんだとしたら、貴方はこの難問をどう解決しますか?


この記事の標題が「介護の達人」ですから、当然Aさんはおじさん夫婦の介護も引き受けました。


では、質問です。
「Aさんは何故この二人も引き受けたのでしょうか?」


正解は
「四人介護するのも六人介護するのも同じだから…」です。

普通に考えると1・5倍大変になるのですけど、六人介護だと毎日ヘルパーさんが来てくれますから、四人介護より楽になるそうです。6人分のヘルパーさんが来てくれるからです。


まあ、ヘルパーさんがいない間は夫婦二人で6人の面倒をみるので大変ですけど、それは介護される側も理解していますから、皆さんちゃんと順番を待つそうです。


これが1対1の介護だとお互い「早くしろ!」とか感情の衝突が起きますが、6対2だと皆に諦めの感情が…「出来ない事は出来ない。やれる事を一個づつ」であり「イライラしても仕方ない。6人の介護は大変だもんな…」となります。

また、介護される側にも自助努力の精神が芽生えるようです。現状を認識してか、対抗心の成せる技かは知りませんけど…。


介護する方もされる側も、自分にイラつき、その怒りを身内にぶつけ自己嫌悪に陥る。これでは両者が幸福になれる訳がありません。

避けて通れない道なら、道中を楽しまなくては損です。

だから、第三者の助けが必要なのです。冷静なプロの技術と経験がきっと貴方を救うでしょう。貴方の怒りの原因を解消してくれるでしょう。


貴方は、目も見えず、立つ事も出来ず、話す事はもちろん日本語さえ理解不能で、出来る事と言ったら泣く事とおっぱいを飲む事、そして、糞尿の排出だけ。

こんなどうしようもない人間だった貴方の面倒(介護?)をしてくれたのは誰か分かりますか?

全ては因果応報なのです。昔の貴方は親御さんにとんでもない苦労をかけていた。その結果が今の介護なのです。

しかし、思い出して下さい。小さなあなたがどんな酷い事をしても、親御さんは笑顔で対応してくれたのです。なのに今の貴方といったら…介護している時の貴方の顔を思い出して下さい。


こんな怒りっぽい子供の生き末が心配で、親御さんは死ぬに死ねないのかもしれませんからね……(^o^;)


……てな感じで、介護を楽しんでいる人もいる、というお話でした。