自動運転カーの未来
先日開催された東京モーターショーでは未来カーが展示され、一方で自動車各社が自動運転カーの公道実験を開始した、とニュースでは伝えています。
また、宮崎では痴呆老人が自動車で繁華街の歩道を走り、多数の死傷者を出したそうです。
識者は「交通手段の限られた地方では、自家用車が無いと生活が成り立たない。よって、高齢を理由にした免許返納は少なく、痴呆の自覚が多少あっても車を手放せない!」と偉そうに語ります。
意図的かどうかは知りませんが、テレビではこの2つのニュースを続けて流していました。
そうするとおっちょこちょいな人々は「確かに地方では車が無いと不便だし、地方ほど高齢化率も高いから痴呆の人も多いかも…しかし、自動運転カーが出来たら痴呆老人も安心して車の運転ができる…」と思っているに違いありません。
自動車会社は東京オリンピックまでに自動運転カーの実用化を目指している様ですが、技術的には可能でしょう。
各種センサーで車の周りの状況を判断して、それに応じてハンドル・アクセル・ブレーキを制御して、カーナビに従い目的地に行くだけですから、難しい技術ではありません。既に、無人タクシーの計画もあります。
しかしであります。人間が作った物は必ず壊れますし、人間が予期せぬ事態はよく起こります。
それが証拠に、全ての自動車会社は毎年の様にリコールを実施していますし、全ての自動車は必ず寿命が来て壊れます。
その上、問題なのは自動運転カーの法的根拠が整備されていない事です。
現行法の自動車は人間が運転する事を前提に考えられていますが、自動運転カーや無人タクシーが事故を起こした場合は誰が責任を取るのでしょうか?救護義務はどうなるでしょうか?
その他、自賠責保険はどうなるか?自動車保険は?メーカーの保証期間は?中古車は?……きりがありませんね……
しかし、法整備が進まないとメーカーも売りにくいし、お客さんも困ってしまいます。
また、自動運転カーは輸出の目玉になる可能性がありますから、世界に先駆けてちゃんとした法整備する事は重要だと思うのですが…。
話は違いますが、無人タクシーが実用化されたら、これは犯罪の絶好のターゲットになります。
犯罪者からするとATMが走っているのと一緒で、尚かつ、人気の無い場所に自分から行ってくれるのですから、最高に好都合です。
その上、捕まってもタクシー強盗では無く、ただの窃盗と器物破損ですから、罪も軽い!言う事なしです!!
うん?…運賃の支払いはカードだけだって……ならば、無人タクシーを盗んで解体して、部品を中国に売りましょう!
話を元に戻しますと、究極の未来カーはSF映画にあった様にリモコン一つで呼び出し可能な完全自動運転カーで、もう免許制度なんて必要無くなります。
…とすると、世界中の運転教習所はこの開発を阻止すべく現在秘密裏に会合を重ね、政治家に献金をして法整備を妨害している!…可能性があるとしたら…どっちが勝つか楽しみですね。