日本しんがり新聞社

ボケ老人の妄想記事ですから、怒らないでね…(^ ^)

高校生の為の「選挙」入門

今年から18歳以上の人に選挙で投票する権利が与えられます。

まあ、多くの若者にとって「選挙」はあまり興味がないかも知れませんけど、貴方が今のんきに暮らせるのも全て過去70年の選挙の結果なのです。

しかし、それ以前は徴兵制があり、男尊女卑が甚だしく、言論の自由に制限があり、軍部は勝手に戦争をしていました。
その上、貴方が次男なら親の遺産をもらえず、神風特攻隊に志願させられていたかも知れないのが、明治憲法下の日本でした。


ホント、貴方は運がイイ!…しかしです。選挙の結果によっては日本は昔に戻る可能性もあるのです。それ程「選挙」にはパワーがあり、大事なものなのです。

よって、今回はこの大切な「選挙」についてザックリ勉強したいと思います。


いきなりですが、ここで問題です。

貴方のひいじいさんは二十歳の選挙の時に何を持って行ったでしょうか?



答えは「貴方のひいじいさんには選挙権が無かったので、選挙に行けなかった」であります。


簡単に解説すると、日本に選挙制度が導入されたのは明治時代であり、それ以前は天皇や貴族、将軍や殿様が好き放題に政治を行っていました。

尚かつ、彼らは世襲制でしたから選挙なぞ必要ありませんでした。

そんな江戸末期に突如現れたのが黒船です。欧米列強の科学力・軍事力に対抗しないと日本は早晩植民地になります。

それを阻止する為には日本中から優秀な人材を集めなければなりませんが、江戸幕府は強固な身分制度で成り立っており、これを打破しない限り日本に未来が無い!と薩長連合は立ち上かり、ついに幕府を倒したのです。

しかし、明治政府がすぐに選挙制度を導入する筈はありません。多数の血を流し勝ち取った権力を易々と他人には渡すバカはいませんからね。

それでも、欧米の政治制度を見習い、明治憲法を発布。終身制の貴族院と選挙制の衆議院が発足して、ついに日本でも選挙制度が始まりました!

…っと言っても、選挙に参加出来るのは男性の高額納税者だけでして、貴方のご先祖は蚊帳の外だったのであります。

そして、世界恐慌で不景気になると軍部は勝手に中国に侵攻。強硬派の若手将校によるクーデター未遂事件で多数の政治家が暗殺されると議会機能は停止状態に陥り、ついに日本は太平洋戦争に突入し、アホな国民は大喝采……。

しかし、最後はコテンパンにやっつけられ、日本中は焦土と化したのでした。


そして、日本を占領したアメリカは、日本を理想的な平和国家に造り変える事にしました。

その為に、まず軍部・貴族・財閥・大地主等の特権階級を解体させ、次に全ての成人国民に選挙権を与えたのです。


実際、戦場の前線に送られるのは選挙権の無い一般男子であり、彼らの無事を祈る母親と妻にも選挙権はありませんでした。

そんな人々に選挙権を与えたなら日本は戦争をしない平和国家になるかも?とアメリカ様は思ったのかも知れませんね。

この様に日本の普通選挙制度はアメリカ様に頂いた物ですが、欧米の政治制度と選挙制度も戦争・革命・内乱と多くの血が流された結果なのです。

だからこそ、この世界中の先人の血を無駄にしない為にも、我々は選挙に参加しなければならないのです。


しかし、我々は忘れてはなりません。あのヒトラーも選挙で正当に選ばれた元首だった事を…。選挙は万能では無く、我々国民が冷静に政治家を見極める事が出来ないと、殺人狂に免罪符を与える可能性もあるのです。


選挙に参加するも無視をするのも、貴方の自由です。しかし、選挙の結果で貴方の運命は決まる可能性もあります。よーく考えてください。