日本しんがり新聞社

ボケ老人の妄想記事ですから、怒らないでね…(^ ^)

三橋貴明という色モノ経済評論家?

あなたは、三橋貴明という経済評論家をご存知でしょうか?

今年度末には1000兆円を越す国の借金が問題になっていますが、この国債破綻論に真っ向から異を唱えたて登場したのが、彼です。国民一人当たり750万円を超える借金で、将来お先真っ暗だった日本人に「そんなの関係ねぇ〜!」と
ご信託を下さったのですから、素直な人は大喜びしたのも仕方ありません。中には彼のコピーバンドまがいのブログを真面目に書いている人もいますから、彼には一般人の支持者が少なからずいるのでしょう。但し、専門家にはあまり評価されていないようですが・・・・。

確かに彼は今、色モノ経済評論家の地位に甘んじてはいます。しかし、革新的なものは最初、特に専門家には理解されないものです。もしかしたら、彼は神が使わした天才なのかもしれません!!

・・・・ってな訳で、国債破綻を心配していた本紙が、彼の理論を検討したいと思います。では、早速彼の公式ブログ(http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/)に飛んでみましょう。
・・・・あーあ、でかい!いろいろ主張しています。まあ、経済評論家ですから、国債破綻しない論以外にも書くことはあるんでしょう。けっこうまともなことも書いてありますよ。・・・・おっと、やっとそれらしいことが書いてあります。

なになに・・・・(以下、青色文字は彼の主張です)

「日本国家とは日本円という通貨を発行できる存在で、それが仕事の一部である。我々の愛する日本円の紙幣は、国家が発行した負債の反対側にある資産に過ぎない」

・・・中略・・・あー、そうなんだ。日本と韓国観光地で使える有価証券という認識は間違いなのかな?


 日本円が「国家の負債」であるという現実を理解してしまうと、現状の「国の借金で破綻する!」論がいかにナンセンスかわかります。何しろ、日本円建てで発行される国債は、「償還、利払いが必要な日本円の紙幣」と何ら変わらないという話になってしまうのです。

・・・中略・・・あれっ、さっきは「日本円は国の資産」と書いてたのに、今度は「国家の負債」になってますね。多分ケアレスミスでしょうが・・・。

「だが、国債は償還や利払いが必要だ! 破綻する!」
 と反発する人がいるでしょうが、
「じゃあ、日銀に買い取ってもらい、償還負担や利払い負担をなくしちゃえばいいじゃん」
 という話になります。

 要するに、最終的にはインフレ率を限界線として、国内の需給や金利、マネタリーベースを調整するのがそもそも国家の役割なのです。それを、どうも戦後育ち(我々含めて)の日本人は忘れてしまい、ついには政治家までもが忘れ去ってしまったというのが、現状の日本のデフレ深刻化の真因なのだと思います。

・・・中略・・・ふーん、バブル後遺症で政府日銀が萎縮した!って事ですね。

 「自国通貨建ての国債」は「利払い、償還負担がある自国通貨」ですが、「外貨建て、共通通貨建て国債」は、明確な「借金!」なのです。この国債種類の区別が、格付け機関までもができていないので、現状の混迷を招いているという話です。

・・・後略・・・つまり、日本の国際のほとんどは国内消費されているので、日銀が国債を買い取れば実質利払いの必要が無くなるから、国債日本銀行券は同じであり「借金」ではない!国債は「借金」でないので、国債破綻を心配する必要はない!ってご信託ですね。


一見、論理的なお話ですが、それではシュミレーションしてみましょう。

まず、面倒なので国債残高1000兆円は、全額日本の民間銀行が持っていることにします。

「頭取、大変です。日銀が市中から500兆円の国債買取を発表しました。」
「そうか、ついに動いたか。これで対GDP比100%だから、日本は財政再建したってことだ。めでたい!・・・で、国債市中金利はどうなった。」
「暴落しています!民間銀行は国債以外に運用先がないのに、そこに日銀が買い手として参入するんですから、国債の奪い合いです!」
「それじゃ、日銀も困るだろう。日銀が公式に発表した限り、政府・財務省も本気だろう。強制償還もあるかもしれないな。」
「えっ、そんなことが許されるのですか?」
「まあ、財政危機を救い、国民の年金を守る!って世論操作をされたらどうしようもないな。何せ、国会は自民党だらけだ。」
「じゃあ、今の中に売りますか?」
「待て。その前に銀行協会に皆集まってるはずだから、動くのはその後だ。日銀にはせいぜい高く買ってもらわないとな・・・・。」
「えっ!?そんなことをしたら、日銀や財務省に睨まれますよ!」
「確かにな。しかし、このチャンスを逃がしたら、外人株主になんて言い訳する?」
「うーん、難題ですね・・・・。」
「だから、他の頭取達と相談するんだ。」


「ボス、大変です。日銀が市中から500兆円の国債買取を発表しました。」
「そうか、ついに動いたか。で、ドル円為替はどうなった。」
「円の暴落です。」
「そりゃ、そうだろう。500兆円といったら日本のマネーサプライM3の半分だからな。」
財政再建円高ですが、マネーサプライの増加は円安です。どうしますか?」
「バカもん!まずは、ドル買いだ。ありったけの資金で円を売れ!」
「で、目標は?」
「あほっ!こんなチャンスめったに無いぞ。行ける所まで行け!後は相場しだいだ!」
「分かりました!」


まあ、実際は日銀の発表は民間銀行と打ち合わせが済んだ後だと思いますが、為替は世界の投機家が相手ですからそうは行きません。急激な円安は輸出企業は大歓迎ですが、輸入企業は大変です。100円ショップは1を2に書き換えをせまられ、ユニクロなども大幅値上げです。ガソリン・電力も値上げで大変です。かといって、給料も年金もすぐに上がりませんから、国民は困窮生活を余儀なくされます。

また、500兆円の現金を手に入れた銀行も大変です。輸出企業は設備投資に走りますが、全部を国内ってことにはなりません。輸入企業は価格転嫁が出来ず赤字企業が増大し、倒産する所もあるでしょう。そうなると、残った資金は土地と株に行くしかないのですが、土地は人口減と地震リスクと原発不安で買い手が限られて無理ですから、結局は株くらいしか行き場はありません。よって、株は大暴騰するかも・・・・。行き着き先はインフレ?TPPも絡み大変です。

うーん、難しい・・・・そっか、三橋理論では「インフレ率を限界線としてマネタリーベースを調整する」ので、こんな馬鹿げたことにはならないのですね。


しかしです。そもそも、インフレを操縦する能力が政府・日銀にあるのか不安です。もしあるのなら、デフレ不況や失われた20年なんて言われていない筈ですよね。その上、為替にいたっては素人以下の無策無能の集団ですから、どうしようもありません。

おっと、だから三橋君を日銀総裁にすれば良いって事なのですね。

けど、どうなんでしょうか?この国債問題にしても、三橋君は為替市場への影響を全く考慮していません。考慮できなかったのか?考慮したくなかったのか?知りたいところですね♪


また、三橋君は現在公共投資による財政出動アベノミクスを熱烈に支持し、財源は国債発行と主張してます。一方、国債市中金利はこの半月で0.70%から0.82%に17%も高騰してます(これは資金が株に流れた結果です)が、この傾向が続くと予期せぬ高金利にならないとは限りません。その時、彼は何を主張するのでしょうか?日銀による国債買取でしょうか?さらなる金融緩和でしょうか?

つまり何が言いたいかというと、彼は自分の政策で経済がソフトランディングするとしか主張していません。しかし、経済は生き物です。彼が真の経済評論家ならあらゆるリスクに対応する術を主張しなければなりません。


尚、今回は「日銀がいきなり500兆円の国債を買い取る」シュミレーションをしましたが、例えこれが10兆円でも世の中は同じ反応を示します。一度でもこの禁断の政策を政府日銀が採れば、世界の投機家はこのミスを見逃さないからです。彼らは己の利益のためには他人の不幸のことなぞ考慮しません。他人のミスに漬け込むのが彼らの本質だからです。

「借金を借金と認識できず、楽して借金を帳消しにしようと思う奴」に対し、世界は甘くありません。必ず罰を与えます。これが世の中って奴です。



・・・・という訳で、本紙の見解は「三橋君は神じゃなかった!」ってことです。だからといって、彼を全否定するものではありません。最初に書いたようにいいことも主張していますから、今後の彼に期待しましょう。